令和5年2月13日、松本清張の『殺人行おくのほそ道 上巻』を読み終えた。
長編推理小説の上巻。この上巻は点字図書全4巻の分量。
主人公倉田麻佐子は叔父の芦名信雄と芭蕉の奥の細道にちなんだ場所を旅行する。その数年後、麻佐子は再び叔父と旅をすることとなる。芦名の家の祭りに関わる旅行である。芦名家が明治維新前まで支配していた九州の土地で、土地の老人からある山林の土地が芦名から他人の手に渡っているという事実を聴かされる。
麻佐子はこの土地の話と信雄の反応に疑念を持ち、自ら調査を始める。
昭和の言葉遣いが読んでいて心地よい。また、登場人物たちの生活様式にも落ち着きがあり、とても懐かしく感じた。
主人公たちの旅の様子も興味深く読んだ。彼らは鳴子温泉や尿前の関、堺田の封人の家(とされる場所)などを訪れる。
主人公が若い女性ということで、同じく清張作品の『蒼い描点』を連想した。『殺人行おくのほそ道』も『蒼い描点』同様、テレビドラマ化されているそうである。
松本清張著/殺人行おくのほそ道 上巻(講談社、1995年)
〈関連記事 尿前の関の話題も登場する対談本『奥の細道迷い道』(吉行和子・富士真奈美著、集英社インターナショナル)を読んだ記録を含む記事〉
〈参考ページ〉
登場人物の漢字表記など、次のページを参考にさせていただきました。
(敬称略)
(紙の古書、kindleほか、タイトル漢字表記は『殺人行おくのほそ道』です。サピエ図書館の点字データのタイトルは『細道』となっておりますが、他の書籍タイトルに準じました。)
(『殺人行おくの細道 上巻』はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)
(上の画像はPlaygroundにより生成されました。2024年8月5日加筆)
コメント