令和5年8月1日から7日までの期間に次の本を読み終えた。
1.今野敏著/わが名はオズヌ(徳間書店、2014年)
2.トレイシー・ウイルキンソン著、矢口誠訳/バチカン・エクソシスト(文藝春秋、2010年)
3.今野敏著/宿闘(徳間書店、2009年)
4.大久保喬樹著、片山由美子編集/ひきだしの奥から(ふらんす堂、2021年)
5.今野敏著/朱夏(幻冬舎、1998年)
6.矢部良明著/日本やきもの史入門(新潮社、1997年)
7.宇野維正著/1998年の宇多田ヒカル(新潮社、2016年)
〈感想、メモ〉
1.今野敏著/わが名はオズヌ(徳間書店、2014年)
長編小説。
物語は南浜高校の賀茂晶が料亭で自由民政党の真鍋不二人と建設会社の久保井昭一の二人の席に現れる場面から始まる。賀茂晶は自らは「オズヌ」だと名乗り、南浜高校の取り壊しについて問いただし、それに反対である旨伝える。
役小角について書かれた部分が特に興味深かった。
2.トレイシー・ウイルキンソン著、矢口誠訳/バチカン・エクソシスト(文藝春秋、2010年)
以前読んだ並木伸一郎の著作である『眠れないほどおもしろい「聖書」の謎』の第三章の最後の節は、「ヴァチカンも公認する〈エクソシスト〉の秘密」というものであった。
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佐々木正悟著『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』などを読了
その中で、ボルティモアでエクソシスト養成特訓がカトリック司教らにより行われたという記事が紹介されていた。それで、現場はどのようなものかと疑問を持った。現代社会におけるエクソシストについて読むことができるかと思い、この『バチカン・エクソシスト』を読むことにした。
著者のトレイシー・ウイルキンソンは、刊行当時にはロサンゼルス・タイムズのローマ支局長を勤めている。
この本には、様々なケースが紹介されているが、印象に残った人物は次の二人。(一)ガブリエーレ・アモルス神父。著者はアモルス神父をおそらく「現在もっとも有名なエクソシスト(本分中の表現)」であろうとしている。小説『ハリー・ポッター』のイタリアでの発売禁止を求める運動を起こした人物であるらしい。その理由は、小説『ハリー・ポッター』は、子どもたちに「魔術を教える(本分中表現)」ものであるから、というもののようだ。(二)エマニュエル・ミリンゴ神父。自らのルールで悪魔祓いを行ったことでバチカンと対立したり、2001年にソン・マリアと結婚したことで「世界中のカトリック信者(本分中表現)」に衝撃を与えた人物であるようだ。ソン・マリアは統一教会(当時の名称)の信者であったとのこと。
〈参考文献〉
並木伸一郎著/眠れないほどおもしろい「聖書」の謎 旧約・新約のの物語が90分で読める!(三笠書房、2011年)
3.今野敏著/宿闘(徳間書店、2009年)
整体師・竜門と渋谷署の辰巳刑事の登場する、渋谷署強行犯係シリーズ。格闘、整体についての描写がブログ執筆者には魅力のシリーズである。
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芸能プロダクションの経営者が襲われた事件の捜査で、主人公たちは対馬へ向かう。作中語られる対馬の地理や歴史(土地の豪族についてなど)の説明が興味深い。
4.大久保喬樹著、片山由美子編集/ひきだしの奥から(ふらんす堂、2021年)
先日、岡倉天心の『茶の本』を読んだ。その現代語訳と解説が非常に読みやすく、内容も興味深いものであったので、訳・解説の大久保喬樹の他の作品を読むことにする。
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どの随筆もとても面白かった。本作の中にも岡倉天心について書かれた文章が収録される。
以下、印象的だった随筆三作。(一)著者の海外での体験が綴られる「忠実と誠実」が味わい深く感じられた。(二)デフォーの『ロビンソン・クルーソー』と著者の留学時代について語られる「ロビンソンの末裔」。(三)パリのノートルダム火災に著者が衝撃を受けたという話から始まる「ノートルダム」。
5.今野敏著/朱夏(幻冬舎、1998年)
警視庁強行犯係・樋口顕シリーズ。
刑事の家族が誘拐される事件が描かれる。樋口警部補と荻窪署の氏家巡査部長の捜査や信頼関係、誘拐された刑事の妻のふるまいなど、引き込まれる場面多数。面白かった。
6.矢部良明著/日本やきもの史入門(新潮社、1997年)
日本のやきものの歴史が解説される。備前焼について書かれた部分が印象に残る。
7.宇野維正著/1998年の宇多田ヒカル(新潮社、2016年)
第三章の「1998年の宇多田ヒカル」、特に「Final Distance」に関する部分を興味を持って読んだ。
(敬称略)
(上の七冊はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)
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