令和4年3月8日から10日までの期間、以下の4冊を読み終えた。
1.リュドミラ・ウリツカヤ著、沼野恭子訳/ソーネチカ(新潮社、2002年)
2.青木和著/弥勒の森(徳間書店、2005年)
3.今野真二著/大人になって困らない語彙力の鍛えかた(河出書房新社、2017年)
4.ニール・スティーヴンスン著、日暮雅通訳/スノウクラッシュ〔新版〕〔下巻〕(早川書房、2022年、電子書籍版)
〈感想、メモ〉
1.リュドミラ・ウリツカヤ著、沼野恭子訳/ソーネチカ(新潮社、2002年)
『ソーネチカ』はロシア人作家リュドミラ・ウリツカヤによる中編小説。1992年に発表されたのちに、フランス語をはじめとして各国語に翻訳され、「ウリツカヤの名前を国際的に知らしめた(「訳者あとがき」内の表現)」作品となる。
主人公はスターリン時代を生きたユダヤ人女性ソーネチカ。彼女は小説の冒頭で本の虫であると紹介される。図書館専門学校を出て、図書館に勤めることとなる。
また、訳者沼野恭子によるあとがきが簡潔明瞭であり、面白かった。
2.青木和著/弥勒の森(徳間書店、2005年)
『弥勒の森』は青森を舞台にした伝奇ミステリー小説。ブナの森やカエルの鳴き声など、白神山地の自然に関する記述が印象に残る。
3.今野真二著/大人になって困らない語彙力の鍛えかた(河出書房新社、2017年)
『大人になって困らない語彙力の鍛えかた』の著者今野真二は日本語学者。「14歳の世渡り述」シリーズ。教材として『走れメロス』などが用いられるのだが、著者の指摘が面白い。
4.ニール・スティーヴンスン著、日暮雅通訳/スノウクラッシュ〔新版〕〔下巻〕(早川書房、2022年、電子書籍版)
kindle版をiPhoneのVoiceOver機能で聴く。
フリーランス・ハッカーのヒロ・プロタゴニストを主人公とした『スノウ・クラッシュ』の下巻。この下巻は、31章のY・Tの登場シーンから始まる。31章の終わりの部分では、Y・Tがエドウィン・ミース札(1兆ドル札)の束に遭遇する。この作品世界はインフレ状態にある(上巻第14章でもインフレ状態について語られる)。
36章の冒頭、バイクでオレゴンに向かうヒロの「世界一のワル」についての思考が面白かった。
また、巻末の鈴木健(SmartNews創業者)による分析を楽しんで読んだ。
〈『スノウ・クラッシュ(上)を読み終えたことについての過去記事』〉
(敬称略)
(『ソーネチカ』、『弥勒の森』、『大人になって困らない語彙力の鍛えかた』の三冊はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)
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