令和4年5月29日、以下の2冊を読み終えた。
1.樋口景一著/発想の技術 アイデアを生むにはルールがある(電通、2013年)
2.樋口直哉著/月とアルマジロ(講談社、2006年)
〈感想、メモ〉
1.樋口景一著/発想の技術 アイデアを生むにはルールがある(電通、2013年)
『発想の技術 アイデアを生むにはルールがある』ではアイデアを生み出す方法論などが語られる。
第2章の最初のパート、観察と洞察について語られた部分が面白かった。マーケティングの世界では観察や洞察は「インサイト」と呼ばれることがあるそうである。著者が聞いたという「ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズカレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン」におけるエピソードが紹介される。デザインを学ぶ学生は、自らのデザイン画を先生に診てもらう際に、「(以下引用)この世界の何を発見し、何にインスパイアされて(引用終わり)」学生がそのデザインを生み出すことになったのかを聞かれるという。世界の観察及び洞察がデザインの学校で重視されているという話は興味深い。
著者樋口景一は1970年福岡県生まれ。
2.樋口直哉著/月とアルマジロ(講談社、2006年)
『月とアルマジロ』は小説。主人公であり語り手である人物がある日アルマジロを飼う運びとなる。この小説においてそれがメインではないものの、アルマジロの描写はユーモラスでかわいい。アルマジロが仰向けで眠ることなどが描かれているが、一般的なことなのだろうかと不思議に感じながら読んだ。
ほか、印象に残った場面。三つ目の章の中で、語り手が夜間という道具は好きではないとしながらもコーヒーを作るために夜間を用いるシーン。この場面で、語り手は夜間の好きではない部分を説明している(モノローグで)。そのうちの一つが、夜間はその構造がトリハロメタンの除去には適さないといったものであり、そこが興味深く感じられた。
巻末の著者紹介によると、著者樋口直哉は1981年東京生まれ。
(敬称略)
(上の二冊はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)
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