長谷部恭男、石田勇治著『ナチスの「手口」と緊急事態条項』などを読了

令和4年5月19日、以下の3冊を読み終えた。

1.長谷部恭男、石田勇治著/ナチスの「手口」と緊急事態条項(集英社、2017年)

2.船瀬俊介著/菜食で平和を!(キラジェンヌ、2016年)

3.新井素子著/明日も元気にいきましょう(角川書店、2004年)

〈感想、メモ〉

1.長谷部恭男、石田勇治著/ナチスの「手口」と緊急事態条項(集英社、2017年)

『ナチスの「手口」と緊急事態条項』は対談本。タイトル中の「ナチスの「手口」」という表現は、2013年7月29日の麻生太郎発言に由来するとのこと(「はじめに」による)。参考資料としてボン基本法における緊急事態条項および関連条項が収録される。

以下、印象的だった点三つ。(一)カール・シュミットの『現代議会主義の精神史的状況』(1923年)について触れている部分。(二)第三章のドイツにおいて緊急事態条項が再び書き加えられた事情について説明される部分。(三)「永久条項」について解説された部分。

長谷部 恭男(はせべ やすお)は刊行当時全国憲法研究会の代表を務めていた。

石田 勇治(いしだ ゆうじ)は歴史学者、専門はドイツ近現代史。

〈参考ページ〉

全国憲法研究会のページ

2.船瀬俊介著/菜食で平和を!(キラジェンヌ、2016年)

『菜食で平和を!』では菜食の利点などが語られる。第4章を興味深く読んだ。

第4章では、カール・フォン・フォイトによるフォイト栄養学の概要とこの栄養学が社会にどのように影響を与えたかが解説される。

フォイトの肉食礼賛(動物性たんぱくの植物性たんぱくよりも優位であるという主張)、カロリー理論という2つの論の問題点を著者は指摘している。

3.新井素子著/明日も元気にいきましょう(角川書店、2004年)

『明日も元気にいきましょう』はエッセイ。「あとがき」によると、エッセイとしては12作目とのこと。

前半、こんなテクノロジーがあればいいな、といった著者の空想についてのエッセイが収録される。例えば、「痛み測定器」、「人の顔識別眼鏡」など。

後半はまた違った種類のエッセイが収められる。最後に収録されている「自慢の本棚」がでは、著者の父親の蔵書について書かれる。「練馬に本棚を作ることができた」というフレーズが印象的だった。

(敬称略)

(上の三冊はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)

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