令和4年11月8日、次の二冊を読み終えた。
1.新井素子著/グリーン・レクイエム(講談社、1988年)
2.黒川伊保子著/英雄の書 全ての失敗は脳を成長させる IN bocca al lupo!(ポプラ社、2018年)
〈感想、メモ〉
1.新井素子著/グリーン・レクイエム(講談社、1988年)
「グリーン・レクイエム」、「週に一度のお食事を」、「宇宙魚顛末記」の三つの短編、中編小説が収められる。
奥付によると、昭和58年が第一刷の発行年となっている。この三作のSF小説の背景に人口問題があったので、いつ頃の作品だったのだろうかと少し気になったのである。
どの作品も面白かった。特に最期に収録されている「宇宙魚顛末記」に登場する悪魔の描かれ方、主人公のとんちが面白く感じられた。
巻末の著者自身による「著者略歴」によると、には昭和35年に東京に生まれる、とある。
〈新井素子の著作を読んだ記録を含む記事〉
『明日も元気にいきましょう』(角川書店)を読んだ記録を含む記事
長谷部恭男、石田勇治著『ナチスの「手口」と緊急事態条項』などを読了
『素子の読書あらかると』(中央公論新社)を読んだ記録を含む記事
養老孟司著、浜崎洋介聞き手『AI支配でヒトは死ぬ。』などを読了
『とり散らかしておりますが』(講談社)を読んだ記録を含む記事
2.黒川伊保子著/英雄の書 全ての失敗は脳を成長させる IN bocca al lupo!(ポプラ社、2018年)
若者に向けて書かれた人生論。「失敗」や「孤高」、「自尊心」、「使命感」といったキーワードを中心にとても分かりやすく書かれている。
巻末著者紹介によると、著者黒川伊保子は長野県の生まれとのこと。富士通ソーシアルサイエンスラボラトリで人工知能の研究に従事した、とある。
第1章では脳の進化において失敗体験が必要であるということが述べられるが、章の冒頭では、人工知能の学習においても、「失敗事例の与え方が意外に大事(文章中の表現)」とあり、面白いと思った。
また、同じく第1章において、脳の進化が睡眠時に行われているということが述べられており、印象に残る。
「孤高」を扱った第2章では、独自の視点が価値を持つということを述べ、したがって、安易に共感することの危険性を指摘しているのが記憶に残った。
(敬称略)
(上の二冊はサピエ図書館の点字データを使用しました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)
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