『腸は考える』などを読了

令和4年5月30日、以下の2冊を読み終えた。

1.藤田恒夫著/腸は考える(岩波書店、1991年)

2.眉村卓著/たそがれ・あやしげ(出版芸術者、2013年)

〈感想、メモ〉

1.藤田恒夫著/腸は考える(岩波書店、1991年)

『腸は考える』では腸の働きが語られる。研究者の日常や内外の研究者のコミュニケーションも読むことができ、興味深い。

中でも、セロトニンの話が面白かった。イタリアの薬理学者のエルスパーマー(Erspamer)が1952年に基底顆粒細胞にセロトニンが含まれていることを発見した、ということが記されている。

ほか、松果体とメラトニンについて説明された部分も興味深く感じられた。

著者藤田恒夫は1929年東京の生まれ。

〈関連記事 本書が参考文献として挙げられ、また、本書内で紹介される1901年の腸管の運動に関する発見(M.ベイリス、E.H.による)についても引かれている『東洋医学考根論』(田中保郎著、長崎文献社)を読んだ記録を含む記事〉

『東洋医学考根論』などを読了

2.眉村卓著/たそがれ・あやしげ(出版芸術者、2013年)

『たそがれ・あやしげ』には21話のショート・ストーリーが納められる。SFである。「中華料理店で」、「息子からの手紙」が面白かった。

「中華料理店で」の主人公は70歳近い年齢の男性である。最近元気が無いということを気にしている主人公が神社に参拝してその後中華料理店で食事をする。その間の心の動きが面白い。

「息子からの手紙」には息子の将来を心配する父親が登場する。彼は効率重視の社会を受け入れ、適応して生活している。彼の息子はそれに対して所謂効率をあまり重視していない様子である。要領良く学校の勉強をこなして成績上位に座を占める、ということもしない。ある日、彼が外出から帰ると、奇妙な封筒が届いており、開封すると…。というあらすじ。

(敬称略

(上の二冊はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)

コメント

タイトルとURLをコピーしました