以下の9冊は2022年2月9日から11日までの3日間に読み終えた本である。
1.高沢謙二著/あなたの「血管年齢」は若返る(講談社、2002年)
2.ジョン・キム著/生きているうちに。(サンマーク出版、2016年)
3.川口マーン惠美/世界一豊かなスイスとそっくりな国ニッポン(講談社、2016年)
4.小川洋子、河合隼雄著/生きるとは、自分の物語をつくること(新潮社、2008年)
5.山田無文著/心に花を(春秋社、1995年)
6.小垣佑一郎著/あらゆる不調をなくす毒消し食‐自律神経失調症、アレルギー、糖尿病、動脈硬化、疲労感、うつ、手足のしびれ・痛み…(アチーブメント出版、2019年)
7.五木寛之、冴木彩乃聞き手 岸惠子、阿川佐和子、宮部みゆき述/エレガンスの極意‐風のCafe(扶桑社、2015年)
8.松本清張/黒地の絵(光文社、1961年)
9.河合隼雄著/大人の友情(朝日新聞社、2005年)
〈感想、メモ〉
1.高沢謙二著/あなたの「血管年齢」は若返る(講談社、2002年)
「血管年齢」という概念が解説される。循環器の健康を保つための知識が多く得られるだけでなく、エッセイ的な楽しみもある本である。
著者略歴によると、著者の高沢謙二は1952年埼玉の生まれ。
〈関連記事 高沢謙二の著作『ぐうたらでも血圧がグングン下がる50の方法』を読んだ記録を含む記事〉
2.ジョン・キム著/生きているうちに。(サンマーク出版、2016年)
小説の形をとったスピリチュアルな自己啓発の書籍。この物語の主人公は何の前触れもなく表れた老人に促され、自らを知るための旅に出る。旅の中で主人公は多くを学ぶ。
著者ジョン・キム(John Kim)は作家。韓国生まれ。
3.川口マーン惠美/世界一豊かなスイスとそっくりな国ニッポン(講談社、2016年)
スイスの闇の部分には驚かされる。第5章では児童の強制労働について書かれた部分がある。貧困層の子どもなどが「里子」として幼いうちから労働に従事させられ、不運なものは犯罪の被害者となったという。そのような状況を生み出す国家の政策は1800年ごろから1970年代まで続いたのだという。非常に胸の痛む記事である。と同時に、どの国にも起きうる事であるので、恐ろしさも感じる。
4.小川洋子、河合隼雄著/生きるとは、自分の物語をつくること(新潮社、2008年)
対談。再読。今回は「博士の愛した数式」について語られる部分を興味深く読む。
5.山田無文著/心に花を(春秋社、1995年)
著者の山田無文(1900~1988)は禅僧。前半は朝日新聞の連載エッセイである。後半は華道雑誌に連載された文章。
以下、印象的だった箇所二つ。(一)戦争中のエッカルトとの対話(「利休は男」内)。(二)金銭と聖徳太子とその仏教、四天王寺についての話(「前向きの仏教」内)。
6.小垣佑一郎著/あらゆる不調をなくす毒消し食‐自律神経失調症、アレルギー、糖尿病、動脈硬化、疲労感、うつ、手足のしびれ・痛み…(アチーブメント出版、2019年)
著者は草加ファミリー歯科・矯正歯科クリニック院長。医師・飯塚浩(メディカルストレスケア飯塚クリニック)による推薦文が面白かった。
本編においては、重金属のデトックスについて書かれている部分が興味深かった(第5章)。
そのほか、グルテンのリスク、グルテンフリーについて書かれた箇所も記憶に残る。
〈関連記事 グルテンについて書かれた箇所のある『老化は副腎で止められた アメリカ抗加齢医学会の新常識! 心と体が生まれ変わるスーパーホルモンのつくり方』(本間良子、本間竜介著、青春出版社)を読んだ記録を含む記事〉
7.五木寛之、冴木彩乃聞き手 岸惠子、阿川佐和子、宮部みゆき述/エレガンスの極意‐風のCafe(扶桑社、2015年)
五木・岸対談においてフランス語に階級ありとの論が登場する。岸の滞仏時の体験談の中で語られるもの。面白いと思った。ほか、この対談では、貴志恵子の川端康成とのエピソードが興味深かった。
五木・宮部対談では、俳句について語る部分が印象的だった。
8.松本清張/黒地の絵(光文社、1961年)
占領下日本における脱走黒人兵の犯罪とその後を描いた「黒地の絵」、贈収賄と官僚の死を描いた「ある小官僚の抹殺」、当初一家心中として扱われた事件が被害者の親せきからの要請などを機に再び追及される『日光中宮祠事件』などが収録される。
「黒地の絵」は、1950年の朝鮮半島情勢の報道から始まる。この小説では、小倉における脱走兵による凄惨な犯罪の場面にも衝撃を受けるが、後半の死体処理場の場面にも強い印象を受ける。朝鮮戦争の戦死者が運び込まれたこの死体処理場では日本人も仕事をしていた。
9.河合隼雄著/大人の友情(朝日新聞社、2005年)
上記対談本『生きるとは、自分の物語をつくること』の中でも本書が取り上げられている。再読。
(敬称略)
(上の九冊はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)
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