2024年1月11日から20日までの期間に次の五冊を読み終えた。1.4.5.の三冊はiPhoneのVoiceOver機能で聴く。
1.永井路子著/北条政子(ゴマブックス株式会社、2015年)
2.後藤竜二著野心あらためず 日高見国伝(新日本出版社、2009年)
3.皆森禮子著/能登あいらんかね ふるさとを語る(BOC出版、1993年)
4.倉山満著/検証 財務省の近現代史 政治との闘い150年を読む(光文社、2012年)
5.ミニマリストしぶ著/手ぶらで生きる。 見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法(サンクチュアリ出帆、2018年)
〈感想、メモ〉
1.永井路子著/北条政子(ゴマブックス株式会社、2015年)
長編歴史小説。北条政子、源頼朝、北条頼政、安達藤九郎らが登場する。主人公北条雅子にとって悲劇的な出来事が次々と起こるのだが、著者永井路子の筆の力のためか、悲劇が苦手であるブログ執筆者も引き込まれ、読み進めることができた。
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2.後藤竜二著野心あらためず 日高見国伝(新日本出版社、2009年)
大和朝廷に抗った日高見国が描かれた小説。アビ一族(東北地方の先住民)の少年・アビやアビ一族の老人であるオンガ、元海賊の灘麿といった人々が登場する。
3.皆森禮子著/能登あいらんかね ふるさとを語る(BOC出版、1993年)
能登や金沢に関する文章などが収められた書籍。浅草寺についての文章の中に、著者が昭和8年に生まれ、昭和38年に上京したことが記されている(この浅草寺に関する文章中では、著者が寺伝を読む場面があり、浅草寺の起こりの話が印象に残る。推古36年、その頃宮戸川と呼ばれていた隅田川で漁の際に像が網に入っていたことが始まりであるらしい)。
食の記憶についての文章である「いさざ」には、著者が能登半島に生まれ、祖母に育てられたことが語られている。タイトルの「いさざ」は清い水にしか住まない白魚に似た魚であるらしい。
著者は昭和30年代に浅野川のほとりに住んでいたのだという。浅野川での友禅流しの思い出などが書かれた部分もあり、印象的だった。
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4.倉山満著/検証 財務省の近現代史 政治との闘い150年を読む(光文社、2012年)
井上準之助と高橋是清のほか、石原周夫や村上孝太郎、河田烈、黒田英雄、藤井真信、鈴木喜三郎、平沼騏一郎といった人々についても触れられる。人事についての解説が興味深かった。
〈井上準之助についての記述のある『昭和恐慌』(中村政則著、岩波書店)を読んだ記録を含む記事〉
5.ミニマリストしぶ著/手ぶらで生きる。 見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法(サンクチュアリ出帆、2018年)
巻末の著者経歴によると、著者は福岡県北九州市出身。1995年の生まれであるとのこと。
「はじめに」には、「(以下引用)僕の生活を律しているのは、「ミニマリズム」という考え方だ。(引用終わり)」という文がある。「律する」という表現が印象的だった。
再読。ミニマリズムの中でも、今回は行動や思考に関する領域の話が印象に残った。
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『minimalism』(ジョシュア・フィールズ・ミルバーン+ライアン・ニコデマス著、吉田俊太郎訳、フィルムアート社)を読んだ記録を含む気維持
『脱力系ミニマリスト生活』(森秋子著、KADOKAWA)を読んだ記録を含む記事
『使い果たす習慣』(森秋子著、KADOKAWA)
『より少ない生き方』(ジョシュア・ベッカー著、桜田直美訳、かんき出帆)を読んだ記録を含む記事
(以上、敬称略)
(『野心あらためず』と『能登あいらんかね』の二冊はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)
(上の画像はAI PICASSOにより生成されました。2024年8月6日加筆)
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