澁澤龍彦著『黒魔術の手帖』などを読了

令和5年6月23日から30日までの期間に次の8冊を読み終えた。

1.清水一行著/ITの踊り(光文社、2004年)

2.森秋子著/使い果たす習慣(KADOKAWA、2018年)

3.デーヴィッド・アイク、江本勝著/さあ5次元の波動へ 宇宙の仕組みがこう変わります(徳間書店、2007年)

4.牛込覚心著/生と死の『修証義』(大蔵出版、2001年)

5.今邑彩著/暗黒祭(角川書店、2003年)

6.松浦理英子、向井秀徳、西寺郷太、湯浅学ほか著/現代思想 八月臨時増刊号(青土社、2016年)

7.西村京太郎著/金沢歴史の殺人(祥伝社、2008年)

8.西寺郷太著/プリンス論(新潮社、2016年)

9.滝川さり著/お孵り(KADOKAWA、2019年)

10.澁澤龍彦著/黒魔術の手帖(文芸春秋、2009年)

〈感想、メモ〉

1.清水一行著/ITの踊り(光文社、2004年)

企業を舞台とした小説。主人公はゲーム機器メーカーの広報部次長である秋葉。秋葉は玩具会社との合併計画で設置されることとなった合併推進事務局に入るよう命ぜられる。

2.森秋子著/使い果たす習慣(KADOKAWA、2018年)

人気ブロガーによるライフスタイルに関する本。この著者の著作を読んだのは、先日読んだ『脱力系ミニマリスト生活』に続き二冊目である。

この『使い果たす習慣』はとても参考になった。掃除の仕方など、実践したい方法が多く書かれていた。

3.デーヴィッド・アイク、江本勝著/さあ5次元の波動へ 宇宙の仕組みがこう変わります(徳間書店、2007年)

世界的に話題となった「水の研究」の江本勝とレプティリアンについての発言で知られるデーヴィッド・アイクの対談。

デーヴィッド・アイクのペルーでの神秘体験についての部分が印象に残る。

4.牛込覚心著/生と死の『修証義』(大蔵出版、2001年)

『修証義』は、明治時代に、滝谷琢宗らにより、道元の『正法眼蔵』の内容から編まれたものであると説明されている。

著者は経典の内容の実践、継続することの困難であることを指摘し、実行して初めて信仰ということになると書く。そして、この『修証義』には、信仰の原点が説かれているのだという(「はじめに」内)。

第一章の最後の節(行為(因)の報い(果)に関するもの)が面白かった。

5.今邑彩著/暗黒祭(角川書店、2003年)

『蛇神』から続くシリーズの完結作品であるとのこと(「あとがき」による)。平成の日本を舞台にした小説。

「あとがき」の日付は平成14年11月となっている。

6.松浦理英子、向井秀徳、西寺郷太、湯浅学ほか著/現代思想 八月臨時増刊号(青土社、2016年)

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プリンスに関する原稿が多数収められる。特に面白かったのは次の5記事。(1)アルバム「Emancipation」の頃のプリンスのインタビュー。内面的な言葉が多く、彼の考えを読むことができ、興味深かった。(2)向井秀徳と西寺郷太との対談。セッションなども行いながらの対談で会ったらしく、和やかな雰囲気の会話。局開設が勉強になる。(3)大谷能生による「ビートに抱かれて」に関する論考。(4)萩原健太と高橋健太郎の対談。(5)小谷真理によるプリンスの歌詞についての原稿。

7.西村京太郎著/金沢歴史の殺人(祥伝社、2008年)

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以下、あらすじ。警視庁捜査一課の西本刑事がメールをやり取りしている女性カメラマン千沙の金沢をテーマにした写真集が出版される直前に出版社の書籍編集部長が射殺されるという事件が起こる。その後も事件が連続する。以上、あらすじ。

金沢の様子が描写されている部分など、興味を持って読んだ(西本と千沙が食事をする兼六園近くの店から石川門が見えるという描写など)。

8.西寺郷太著/プリンス論(新潮社、2016年)

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自らもミュージシャンであり、音楽プロデューサーである著者によるプリンスの評伝。

まず、冒頭にホメーロスの『オデュッセイアー』(呉茂一訳、岩波文庫)の中の文章がエピグラフとして置かれているのが印象的である。今回は再読であるが、このエピグラフ(「ずいぶん諸方を彷徨って来たあの男」の部分が掲げられている)に沿って読んだような気がする。

そのような読みかただったためか、アルバム解説の中でも、2014年の「Art Official Age」の部分が特に興味深く感じられた。

9.滝川さり著/お孵り(KADOKAWA、2019年)

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ホラー小説。

以下、第一章の冒頭部分。「(以下引用)橘佑二がその村を初めて訪れたのは、二十四歳のときだった。(引用終わり)」

佑二は5年間交際した萩村乙瑠と婚約することになる。乙瑠は生まれ変わりの伝説のあるその村の出身であった。その後、乙瑠は里帰り出産をすることになるが、出産後、村から出ることを禁じられてしまう。以上、あらすじ。

10.澁澤龍彦著/黒魔術の手帖(文芸春秋、2009年)

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エッセイ集。次の五つの記事が面白かった。

(一)トマス・アクィナスが師アルベルツスの作った自動人形を壊したというエピソード。この自動人形は人間の言葉をしゃべることができ、そのうるささに勉強を妨げられたアクィナスが癇癪を起して人形を壊したという。

(二)モンテスパン夫人が行った黒ミサのエピソード。黒ミサを行った目的はルイ十四世の寵愛を得るために、恋敵であるラ・ヴァリエールに死をもたらすというもの。黒ミサはギブール師の下で行われた。師のもとにモンテスパン夫人を導いたのはラ・ヴォワザンであった。本書では、用いられた薬についての解説がこのエピソードに続く。そこでは、薬の材料について述べられ、なぜそれが用いられたのかがキリスト教異端であるアルビ派の考え方とともに説明される。

(三)ヨハン・カスパール・ラヴァーテルがポルタの骨相学に影響を受けた、との記述。

(四)カトリーヌ・ト・メディチとその子シャルル九世の悪魔のミサの様子(この部分はエリファス・レヴィの文章が引かれている)。

〈関連記事 カトリーヌ・ド・メディチとシャルル九世についての記述のある飛鳥昭雄著作『ノストラダムス』(講談社)を読んだ記録を含む記事〉

羽矢謙一著『ディラン・トマス』などを読了

(飛鳥昭雄の『ノストラダムス』においては、カトリーヌ・ド・メディチは「カトリーヌ・ド・メディシス」、「カトリーヌ王妃」と記述されている。)

(五)17世紀にフリー・メーソンが勢いを再び得た理由を、「(以下引用)薔薇十字団に属するイギリス人が多数そこに加入したから(引用終わり)」としている点。エリアス・アシュモールらの名が挙げられている。

〈関連記事 アシュモールの記事のある吉村正和の著作『フリーメイソン』(講談社)を読んだ記録を含む記事〉

森博嗣著『すべてがFになる』などを読了

再読であるが、上のように、今回は歴史上の著名人について書かれた部分が印象に残った。

(敬称略)

(『ITの踊り』、『使い果たす習慣』、『さあ5次元の波動へ』、『生と死の『修証義』』はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)

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