令和5年2月25日、倉山満の『嘘だらけの日独近現代史』を読み終える。kindle版をiPhoneのVoiceOverで聴く。
前日24日に読み終えた江村洋の『ハプスブルク家』がとても面白かったので、今回この『日独~』を読む。
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この『日独~』においても、1552年のインスブルックの夜襲事件の部分は『ハプスブルク家』を参照したとのことである(『日独~』第2章第5節)。
ほか、ルドルフ四世やマリア・テレジアといったハプスブルクの人物が登場する。
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ハプスブルクに関する部分も興味深く読んだが、この本は『日独~』と名付けられている通り、日本とドイツの歴史を同時に見るという視座を持つ本であり、著者の辛辣なコメントもあり、日本に関する部分を楽しく読む。
日本について書かれた中で印象的だったのは、松岡洋右と三国同盟についての部分である(第5章第12節)。松岡は元来親英派であった。三国同盟にしても、この同盟には参戦の義務がなく、それを松岡は意識していたのだと著者はいう。政府がそれを利用しなかったのである。
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また、著者の「焚書」に関する考えが興味深い。ナチスが行った焚書を「前近代どころか、古代国家並みの野蛮な行為」としている。ブログ執筆者も焚書は野蛮な行為だと思う。
巻末の著者紹介によると、著者倉山 満(くらやま みつる)は1973年香川県生まれ。憲政史研究者。
倉山満著/嘘だらけの日独近現代史(扶桑社、2018年電子書籍版)
(以上、敬称略)
〈本の中での検索に関する雑感〉
kindleの中で語句検索を行う際、ブログ執筆者がよく失敗するのが人名の検索です。カタカnナ表記に複数のバリエーションがある場合、検索にヒットしない状況に遭遇します。今回の『日独~』と先日読んだ『ハプスブルク家』でも、同一人物の表記が異なるものがありました。例えば、『ハプスブルク家』における「ルードルフ四世」と『日独~』における『ルドルフ四世』です。長音記号の有無にしかすぎませんが、検索語句入力の際に書き分けなければ検索に引っ掛からないということになります。設定次第である程度の幅で検索が可能かもしれませんが、ブログ執筆者はまだそちらの方向では勉強を進めていません。こういったことから、当ブログでは、記事としてはやや煩雑になりますが、表記について書き加えている場合があります。
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