令和5年2月1日、藤沢周平の小説『海鳴り 下巻』を読み終えた。紙商小野屋新兵衛の道ならぬ恋を描いた時代小説の下巻である。
目次を一覧し、「破滅」とあったのでどうなるのだろうと思い読み進める。
ブログ執筆者の場合、小説は、例外もあるけれども、誰かその登場人物に感情移入をしながら読み進める。この『海鳴り』は、なぜか主人公の妻と娘に感情移入し、主人公の心情には少し距離があった。
この下巻においては、上巻で描かれている新兵衛の恋や彼の家庭の抱える問題などの物語の要素が動きを見せ、結末まで一気に読ませる。
社会的に許されない恋はいずれにせよ誰かが悲しむという性質のものだろう。結末については書かないが、藤沢周平の筆の力によるものか、(もともと恋愛ものが苦手な)読者としてはさほど苦しい思いをせずに読み終えた。
藤沢周平著/海鳴り 上巻(文藝春秋、1987年)
〈参考文献〉
1.小菅繁治著/兄藤沢周平(毎日新聞社、2001年)
2.廣瀬誠著/藤沢周平。人生の極意(PHP研究所、1997年)
〈参考ページ〉
登場人物の名前の漢字表記などは次のページを参考にさせていただきました。
〈本記事に関連した過去記事〉
(敬称略)
(『海鳴り 下巻』はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)
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