令和5年1月15日、清水一行の小説、『欲望集団』(角川書店、1993年)を読み終えた。点字データの底本となったのが1993年発行の角川文庫であるが、それよりも前、1989年に光文社から刊行された旨記してある。
主人公は詐欺グループのリーダー格の男、犬塚誠。犬塚は証券担保金融なる商売を営んでいた。ある時、彼のグループにある依頼が持ち込まれる。その以来の主は日露戦争時に財宝を積んだまま沈んだ船があり、そこから「10兆円」の価値のある積載物を引き上げるための資金の提供者を探していた。犬塚は「日本の黒幕」とも呼ばれるある大物にコンタクトをとる。
以上が本書のあらすじである。本書中では沈没した舟の名はアヒモノフ号としてある。司馬遼太郎の『坂の上の雲 6』にも登場するアドミラル・アヒーモフがそのモデルとなった船だと思われる。この『欲望集団』は『坂の上の雲』を再読したいと思わせてくれる本でもあった。
〈参考ページ〉
(敬称略)
(『欲望集団』はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)
(上の画像はPlaygroundにより生成されました。令和六年八月十八日加筆)
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