令和5年3月11日、次の二冊を読み終えた。いずれもkindle版をiPhoneのVoiceOverで聴く。令和5年3月時点でkindle unlimitedで利用可能。
1.釜谷武志著/陶淵明(KADOKAWA、2014年)
2.湯浅邦弘著/呻吟語(KADOKAWA、2017年)
〈感想、メモ〉
1.釜谷武志著/陶淵明(KADOKAWA、2014年)
「帰去来の辞」や「桃花源の記」、「園田の居に帰りて」、「飲酒」などが収録される。
今回特に印象的だったのが「形影神(けいえいしん)」。自身を形(肉体)、影、神の三者に分け、問答がそこで行われるという作品。神の語るパートの分量が他に比べ多いという著者の指摘は面白く思った。というのも、やはり本心というのか、放っていたら出てくる言葉は形言なのだろうと思われ、「そのようにありたい」という状態を神のパートで語らせているような印象を(今回)受けたからである。
ほか、伯夷、叔斉、栄啓期のことが引かれる「積善を報い有りと云うも」も印象に残る。
〈関連記事 伯夷についてのエピソードが記される『太公望 下巻』(宮城谷昌光著、文藝春秋)を読んだ記録を含む記事〉
2.湯浅邦弘著/呻吟語(KADOKAWA、2017年)
明代末の書『呻吟語』の解説書。
「性命――人間の本性と運命について」を興味を持って読む。「(以下引用)冷静沈着を旨とし、言葉を慎むこと(引用終わり)」が説かれる。
『菜根譚』との比較なども面白い。『呻吟語』が「論理的な散文(本文中の表現)」と表現される部分などが印象的だった。
(敬称略)
〈呂新吾について書かれた本を読んだ記録を含む記事〉
大城太著/『華僑の大富豪が教えてくれた「中国古典」勝者のずるい戦略』(三笠書房)
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