令和5年1月11日、羽太雄平の小説、『本多の狐 徳川家康の秘宝』(講談社、1992年)を読み終えた。
タイトルにある徳川家康の遺した秘宝が物語の背景にあり、登場人物たちはその秘宝をめぐり活躍する。「あとがき」で著者自身が触れているようにこの小説には「歴史上の大スター(「あとがき」での表現)」が多く登場する。宇喜多秀家の正室である豪姫、天台宗の僧・天海、武将・本多政重、二代目将軍の徳川秀忠、将軍家の兵法指南役である柳生宗矩、沢庵禅師など。確かに大スターたちである。
タイトルの「本多の狐」とは、「忍びの集団(本文中の表現)」である。本多の狐に対立するグループが現れ、物語が進んでいく。
多くの歴史小説に既に描かれている「歴史上の大スター」たちだが、この作品においてはかなり人間臭く描かれており、ブログ執筆者は新鮮な思いで読んだ。
著者羽太雄平(Hata Yuuhei,1944~)は台湾の生まれ。作家となる前にはカメラマンや広告会社経営などの職業を経ている。
〈参考ページ〉
(敬称略)
(『本多の狐』はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)
コメント