種ともこ著『ちょっと異邦人になりに行く』などを読了

令和5年9月9日から16日までの期間に次の12冊を読み終えた。2~3、5~12の10冊は、kindle版をiPhoneのVoiceOver機能で聴いた。また、4はAQUOSのトークバック機能で聴いた。

1.小林祥晃著/12か月風水開運法 年中行事のパワーがあなたを変える(PHP研究所、1998年)

2.ジョージ・R・R・マーティン著、酒井昭伸訳/氷と炎の歌⑤ 竜との舞踏〔中〕(早川書房、2016年)

3.仲正昌樹著/現代哲学の最前線(NHK出版、2020年)

4.種ともこ著/ちょっと異邦人になりに行く(ヴォイジャー・プレス、2016年)

5.苫米地英人著/夢が勝手にかなう脳(2017年)

6.今野敏著/降臨 聖拳伝説(1)(朝日新聞出版、2023年)

7.今野敏著/キンモクセイ(朝日新聞出版、2021年)

8.今野敏著/精鋭(朝日新聞出版、2018年)

9.ルイジ・コルナロ著、中倉玄喜編訳・解説/無病法 極少食の威力(PHP研究所、2012年)

10.白取春彦著/生きるための哲学(ディスカバー・トゥエンティーワン、2012年)

11.五藤隆介著/アトミックリーディング 読むことと書くことから考える読書術(2023年)

12.入不二基義、森岡正博著、哲学編集部編/現代哲学ラボ 入不二基義のあるようにありなるようになるとは?(MIDアカデミックプロモーションズ、2016年)

〈感想、メモ〉

1.小林祥晃著/12か月風水開運法 年中行事のパワーがあなたを変える(PHP研究所、1998年)

季節の行事の意味・過ごし方が解説される本。

2.ジョージ・R・R・マーティン著、酒井昭伸訳/氷と炎の歌⑤ 竜との舞踏〔中〕(早川書房、2016年)

『氷と炎の歌⑤ 竜との舞踏』の中巻。前作と同様、ティリオン・ラニスター、〈リーク〉、デナーリスのエピソードが印象に残る。

また、いくつかの章で登場する使い鴉には存在感が感じられた。メッセンジャーとしてだけでなく、不吉な雰囲気を帯びた存在として記憶に残った(28章の冒頭場面など)。また、以前に読んだ『鬼滅の刃』においても鴉が伝達の役割を果たしていたことが思い出された。現実の歴史でもこうしたことが行われていた事例があるのか、ブログ執筆者は不勉強にて知らない。東西の小説で鴉が似た役割を担っていることが興味深く感じられた。

〈関連記事 登場人物の鱗滝左近次が鴉によって伝言を受け取る場面のある『鬼滅の刃[1]』(吾峠呼世晴原作、松田朱夏著、集英社)を読んだ記録を含む記事〉

勝又靖彦著『“陰陽の考え方”を身につけて直感力を高める』などを読了

〈関連記事 作中、鴉が登場人物を導く場面が描かれている『鬼滅の刃[4]』(吾峠呼世晴原作、松田朱夏著、集英社)を読んだ記録を含む記事〉

吾峠呼世晴原作、松田朱夏著『鬼滅の刃[4]』などを読了

〈関連記事 竈門炭治郎付きの鴉である天王寺松衛門の登場する『鬼滅の刃[6] 無限城突入!!しのぶの想い編』(吾峠呼世晴原作、松田朱夏著、集英社)を読んだ記録を含む記事〉

ジャン・ボッテロ、マリ=ジョゼフ・ステーブの『メソポタミア文明』などを読了

〈関連記事 前作『竜との舞踏〔上〕』(早川書房)を読んだ記録を含む記事〉

藤原伊織著『シリウスの道』などを読了

3.仲正昌樹著/現代哲学の最前線(NHK出版、2020年)

この本では、「正義論」、「承認論」、「自然主義」、「心の哲学」、「新しい実在論」の五つのテーマが扱われる。

第一章の正義論で紹介されるロールズの論、第二章で登場するローティに関する部分を興味を持って読んだ。

4.種ともこ著/ちょっと異邦人になりに行く(ヴォイジャー・プレス、2016年)

1986年、著者がブルガリアの音楽祭「ゴールデン・オルフェス」での演奏のためにヨーロッパを訪れた時の様子が書かれた書籍。飛行機の中で著者がThe Art of Noiseを聴いているという記述、ヒースロー空港での著者の人間観察、ブルガリアでの食事、黒海などの自然に関する文章などが印象的だった。

5.苫米地英人著/夢が勝手にかなう脳(2017年)

「はじめに」の「原監督がWBCで世界制覇を果たせた理由」において、抽象度の高さの説明の際の実例として原辰徳の監督としての仕事が挙げられている。

6.今野敏著/降臨 聖拳伝説(1)(朝日新聞出版、2023年)

長編小説。格闘の場面多数。元は徳間書店から1985年に刊行されたものであるとのこと。

物語はインドのパーラム空港(インディラ・ガンディー国際空港の旧名(参考ページ))に「端正な顔立ちの日本人青年(本文中表現)」が到着する場面から始まる。

物語の背景にある歴史の話(雄略天皇について触れている部分などもある)や格闘技の解説などが面白く感じられた。

〈参考ページ〉

ウィキペディア インディラ・ガンディー国際空港

7.今野敏著/キンモクセイ(朝日新聞出版、2021年)

長編小説。「週刊朝日」連載が単行本化されたものであるとのことである。

冒頭、警察庁警備局に所属する隼瀬順平は、ある土曜日の朝、法務省の官僚の遺体が発見されたという記事を朝刊で読む。彼は所謂キャリアであり、30歳で警視である。この土曜の夜にこの主人公は動機との飲み会に参加する。以上、第一章の場面。

日米合同委員会やエドワード・スノーデンといった語が登場する。それらがどのように登場人物によって語られるか、といったことが興味深いところであった。

8.今野敏著/精鋭(朝日新聞出版、2018年)

「解説」によると、この作品は、2014年の朝日新聞夕刊の連載に加筆修正されたものである。警察小説。

(以下引用)警察官は、転勤に加え、多くの研修や訓練を経験する。そのたびに出会いがあり、そして別れがある。(引用終わり)

小説は、二十二歳の巡査・柿田亮が、管内で喧嘩との通報で現場に向かう場面から始まる。柿田は、その後も様々な現場に遭遇し、自らの対応や判断が正しかったのかどうかとしばしば考え、周囲に相談したりなどする。

主人公柿田の成長物語として読んだ。同期の仲間と助け合いながら困難を乗り越える様子などが描かれており、読後感も爽やかなものだった。

9.ルイジ・コルナロ著、中倉玄喜編訳・解説/無病法 極少食の威力(PHP研究所、2012年)

少食の利点について書かれた書籍。解説も面白い。以前に読んだ船瀬俊介の著作において、ルイジ・コルナロのことが紹介されていた。そこで興味を持ち、今回読んだ。

〈関連記事 ルイジ・コルナロが紹介される書籍を読んだ記録を含む記事〉

『やってみました!1日1食』を読んだ記録を含む記事

坂口恭平著『独立国家のつくりかた』などを読了

『できる男は超少食』を読んだ記録を含む記事

柴田錬三郎著『主水血笑録』などを読了

『菜食で平和を!』を読んだ記録を含む記事

長谷部恭男、石田勇治著『ナチスの「手口」と緊急事態条項』などを読了

10.白取春彦著/生きるための哲学(ディスカバー・トゥエンティーワン、2012年)

17の章から成る。各章の最初に哲学者の言葉が引用される。「8 この世界すべてを理解することなどできない」におけるメルロ=ポンティの陰陽が印象的だった。

11.五藤隆介著/アトミックリーディング 読むことと書くことから考える読書術(2023年)

著者自身のアウトプットを前提とした読書について書かれた部分が勉強になった。特に、この書籍のタイトルの一部ともなっている「アトミック」な読書メモについて書かれた部分が印象に残る。

また、巻末の参考図書の一覧も興味深かった、

12.入不二基義、森岡正博著、哲学編集部編/現代哲学ラボ 入不二基義のあるようにありなるようになるとは?(MIDアカデミックプロモーションズ、2016年)

2015年10月に早稲田大学戸山キャンパスで開催された第一回現代哲学ラボの講演、ディスカッションが収録された書籍。ゲストの入不二基義による講演はその著書『あるようにありなるようになる』についてのものであり、続くディスカッションでは森岡正博が参加する。

(以上、敬称略)

(『12か月風水開運法』は、サピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)

(上の画像はPlaygroundにより生成されました。2024年8月14日加筆)

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