令和5年3月23日(木)、次の二冊を読み終えた。
1.田母神俊雄著/ほんとうは危ない日本(PHP研究所、2012年)
2.樋口毅宏著/さよなら小沢健二 1994→2015樋口毅宏サブカルコラム全集(扶桑社、2015年)
〈感想、メモ〉
1.田母神俊雄著/ほんとうは危ない日本(PHP研究所、2012年)
kindle版をiPhoneのVoiceOverで聴いた。令和5年3月時点でkindle unlimitedで利用可能。
第一章には石原慎太郎東京都知事(当時)の尖閣諸島購入予定発言についての著者の考えが収められる。この発言がなされたのは2012年、訪問先のワシントンにおいてであった。著者は内外への影響のことを考えるとワシントンでの発言であったというのは、意図するところがあったのではないか、との観測を記している。仮に国内でこの発言をしていたならばNHKや朝日は「(以下引用)必死になって都知事の構想を矮小化して報道していただろう(引用終わり)」と著者は見ている。
上の都知事発言から始まり、当時著者が懸念している日本の危機について書かれた本。
不戦を唱えているのは日本国憲法だけではなく、1928年のパリ不戦条約もそうであるとの指摘は興味深かった(第五章の中の「戦争自体が国際法で禁止されている」)。
著者田母神俊雄は1948年福島県生まれ。
2.樋口毅宏著/さよなら小沢健二 1994→2015樋口毅宏サブカルコラム全集(扶桑社、2015年)
副題にあるように小沢健二評に限らずサブカル関連のコラムが集められたもの。山崎洋一郎に関する文章が良かった。「語り部(本文中の表現)」の重要性について著者は語る。また、2014年3月に行われた山崎洋一郎と著者の対談が収録されている。
四方田犬彦の授業を聴講していたというエピソードも面白かった。その際に四方田犬彦の共編著『世界は村上春樹をどう読むか』(文藝春秋、2006年)について質問したという話は興味深い。
(敬称略)
(『さよなら小沢健二』はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)
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