2024年5月11日から同月末日までの期間に次の本を聴き終えた。1から3の本はkindle版をAndroidのtalkback機能で聴いた。
1.桑原武夫著/文学入門(岩波文庫、1950年)
2.上田秋成著、佐藤至子編集/雨月物語(KADOKAWA、2017年)
3.塚本亮著/すぐやる人のノート術(明日香出版、2018年)
4.小川和也著/儒学殺人事件 堀田正俊と徳川綱吉(講談社、2014年)
〈感想、メモ〉
1.桑原武夫著/文学入門(岩波文庫、1950年)
再読。「世界近代小説50選」というパートで50作品を選んであるのが面白い。選ぶにあたり、リストの各部門で吉川幸次郎や中野好夫といった人々に相談した、とある。
著者紹介によると、著者桑原武夫(1904~1988年)は、スタンダールの『赤と黒』の訳なども手掛けている。
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2.上田秋成著、佐藤至子編集/雨月物語(KADOKAWA、2017年)
1776(安永五)年出版の『雨月物語』の9つの物語の原文の一部と原題文約及び解説が収められた本である。
「白峯」、「菊花の約」の二作が印象に残る。
「白峯」では西行と崇徳上皇の霊との対話が描かれる。
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「菊花の約」の主人公は、播磨の学者である丈部左門。左門が出雲の出身の赤穴宗右衛門と交わした約束がこの物語の重要な部分となる。
この「菊花の約」の物語の背景に尼子経久の富田城奪還(文明十七年)があることも印象を強めた。
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3.塚本亮著/すぐやる人のノート術(明日香出版、2018年)
行動力を上げるノートの書き方や考え方が書かれた本。一週間を区切りとしてタスクを書き留めるという形式についての箇所が印象に残る。
4.小川和也著/儒学殺人事件 堀田正俊と徳川綱吉(講談社、2014年)
徳川綱吉の時代に起こった江戸城での刃傷沙汰のうちの一件、貞享元(1684)年の大老・堀田正俊殺害事件について書かれた書籍。
堀田正俊の人間像、犯人の稲葉正休との関係、また、事件そのものの位置づけなど、とても興味深い内容だった。
ほか、堀田正俊の著作『颺言録』に関する部分や、古典『書経』に関する部分、『易経』を講ずる綱吉について書かれたところなどが印象的だった。
著者・小川和也は1964年群馬県生まれ。
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笹沢左保著『失脚 3』(祥伝社)を読んだ記録を含む記事
J.K.ローリング著『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』などを読了
佐々木裕一著『新・浪人若さま新見左近 6』(双葉社)を読んだ記録を含む記事
(以上、敬称略)
(『儒学殺人事件』はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)
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