山村美紗の短編集『花の寺殺人事件』を読了

令和5年3月1日水曜、山村美紗の短編集『花の寺殺人事件』を読み終えた。kindle版をiPhoneのVoiceOver機能で聴く。令和5年2月時点でkindle unlimitedで利用可能。

「棺の中に藤の花を」、「芙蓉の花は血の色」、「彼岸花が死を招く」、「桜の寺殺人事件」、「死化粧は菊の花」、「石楠花の咲く寺」、「月下美人殺人事件」、「桔梗寺の殺人」の8作品が収録される。構成要素に花と寺が含まれる作品群。作品によっては猫が大事な役を演じる。

「棺の中に藤の花を」には平等院が、「桜の寺殺人事件」には醍醐寺が登場する。

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フレッド・ウルマン著『友情』などを読了

花々の話はどれも面白かった。特に、先日読んだ『新・千曲川のスケッチ』の中に登場していた石楠花は気になっていた花だったので、この花が描かれている「石楠花の咲く寺」を興味を持って読んだ。

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矢島文夫著『メソポタミアの神話』などを読了

この『石楠花の咲く寺』には目の不自由な少年が登場しており、その描かれ方も興味深かった。

そのほか、「月下美人殺人事件」では月下美人の性質が物語の重要な要素になっていて、この短編も興味を持って読んだ。

山村美紗著/花の寺殺人事件(講談社、2019年電子版発行)

(敬称略)

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