今野敏の警察小説『焦眉』などを読了

令和5年8月8日から14日までの期間に次の本を読み終えた。『伊豆の海に消えた女』はkindle版をiPhoneのボイスオーバーで聴く。

1.伊吹有喜著/風待ちのひと(ポプラ社、2011年)

2.和久峻三著/修善寺能面殺人事件 赤かぶ検事奮戦記(祥伝社、1996年)

3.今野敏著/焦眉 警視庁強行犯係・樋口顕(幻冬舎、2020年)

4.西村京太郎著/伊豆の海に消えた女(祥伝社、2000年)

5.吉村達也著/修善寺温泉殺人事件(勁文社、1995年)

6.早見俊著/居眠り狼 はぐれ警視向坂寅太郎(祥伝社、2017年)

〈感想、メモ〉

1.伊吹有喜著/風待ちのひと(ポプラ社、2011年)

長編小説。2008年第三かいポプラ社小説大賞特別賞を受賞した著者伊吹有喜のデビュー作であるとのことである(巻末「解説」による)。

39歳の銀行員の男が、家庭に不和を抱え、心身にも不調をきたし、休職し、母親の遺品を整理するために海辺の町へ向かう。その途中に出会った同い年の女性との交流を中心に描かれる物語である。

2.和久峻三著/修善寺能面殺人事件 赤かぶ検事奮戦記(祥伝社、1996年)

長編推理小説。赤かぶ検事シリーズ。八月の下旬、赤かぶ検事・柊茂が小面(能面の一種)についてその能面の所有者である山下と会話する場面から物語が始まる。その会見の途中、叫び声が聞こえ、山下の邸宅の敷地内の土蔵で死体が発見される。

検事と京都府警捜査一課の行天燎子警部補との協力のあり方が興味深かった。

3.今野敏著/焦眉 警視庁強行犯係・樋口顕(幻冬舎、2020年)

長編の警察小説。幅広い今野作品群の中に、組織での任務遂行が重点的に描かれる作品群があり、この『焦眉』もそれに含まれる。

組織の中でのふるまいが登場人物によって大いに異なり、その点を興味深く読んだ。

〈関連記事 樋口顕シリーズの作品『朱夏』を読んだ記録を含む記事〉

大久保喬樹のエッセイ集『ひきだしの奥から』などを読了

4.西村京太郎著/伊豆の海に消えた女(祥伝社、2000年)

長編推理小説。西村京太郎の小説の魅力の一部は、移動や地理の描写だと思うが、今回はタイトル通り、伊豆について描かれる部分が多くある。石廊崎などが登場する。。

5.吉村達也著/修善寺温泉殺人事件(勁文社、1995年)

長編推理小説。渋谷区のアパートでOLの他殺とみられる死体が発見される。遺体には、漆の受益によると思われる損傷が見られた。

渋谷署の夏目邦雄刑事と警視庁の夏目大介警部の親子による捜査が描かれる。

6.早見俊著/居眠り狼 はぐれ警視向坂寅太郎(祥伝社、2017年)

長編推理小説。東京の伊豆諸島の中の一つの島で起こる事件が描かれる。

(敬称略)

(『風待ちのひと』、『修善寺能面殺人事件』、『焦眉』、『修善寺温泉殺人事件』『居眠り狼』はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)

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