中島梓著『本音のコラム』などを読了

令和5年3月4日、次の二冊を読み終えた。いずれもkindle版をiPhoneのVoiceOverで聴く。

1.中島梓著/本音のコラム(ボイジャー・プレス、2017年)

2.世阿弥著、水野聡訳/現代語訳風姿花伝(PHP研究所、2005年)

〈感想、メモ〉

1.中島梓著/本音のコラム(ボイジャー・プレス、2017年)

栗本薫のもう一つのペンネームである中島梓名義のコラム集。東京新聞の2005年10月7日から翌年の9月29日まで連載されたもの。

2005年といえば、栗本薫のグイン・サーガ100巻が出版された年である。本書『本音のコラム』連載開始の10月に近いところだと、グイン・サーガの『湖畔のマリニア』のあとがきの日付が9月6日となっている。

「新しい現実」と題されたコラム、交差点で携帯電話で話す若い女性を見た著者が感じたことが書かれている文章なのだが、「(以下引用)心を遠くにおいたまま生きてゆくことが出来るかというこれは陰鬱な実験(引用終わり)」という表現が面白く感じられた。

「太陰暦の衣替え」という文章も面白かった。太陽暦での衣替えは実情に即していないのではないだろうか、というもの。「戦後の衣替え(文中表現)」とある。この文章は衣替えの話だが、戦後、という時間区分だけで考えると、あまり日本の実情に即していない新習慣というのは山ほどあるだろうな、と考えながら読んだ。

〈参考図書〉

栗本薫著/グイン・サーガ第100巻 豹東欧の試練(早川書房、2005年)

栗本薫著/グイン・サーガ第104巻 湖畔の魔リニア(早川書房、2005年)

2.世阿弥著、水野聡訳/現代語訳風姿花伝(PHP研究所、2005年)

令和5年3月時点でkindle unlimitedで利用可能。

「修羅」、「老人」を演ずるにあたって、という文章が印象的だった。

もう一点、今回は「序」で申楽の起源について語られる部分が面白く感じられた。「(以下引用)推古天皇の御代、聖徳太子が秦河勝に命じて創作させた(引用終わり)」とある。この時代への興味が増した。

〈『風姿花伝』の解説書を読んだ記録を含む記事〉

和久峻三著『愛すべく、ハッカーたち』などを読了

(敬称略)

 (参考図書の『豹頭王の試練』、『湖畔の魔リニア』の二冊はサピエ図書館の点字データを用いました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)

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