ミュッセ著、渡辺守章訳『ロレンザッチョ』などを読了

令和5年5月20日から27日までの期間に次の本を読み終えた。『善悪の彼岸』と『ロレンザッチョ』はkindle版をiPhoneのVoiceOver機能で聴いた。

1.ジョン・グリシャム著、白石朗訳/ペリカン文書(新潮社、1994年)

2.森浩一著/巨大古墳 前方後円墳の謎を解く(草思社、2014年)

3.半沢周三著/南部の大河 史上最大の一揆 その攻防(郁朋社、2001年)

4.フリードリッヒ・ニーチェ著、中山元訳/善悪の彼岸(光文社、2009年)

5.藤沢周平、德永文一著/甘味辛味 業界紙時代の藤沢周平(文芸春秋、2012年)

6.北野大著/北野家の訓え 強く、たくましく生きる(PHP研究所、2003年)

7.ミュッセ著、渡辺守章訳/ロレンザッチョ(光文社、2016年)

8.鈴木秀子著/今、目の前のことに心を込めなさい(海竜社、2017年)

〈感想、メモ〉

1.ジョン・グリシャム著、白石朗訳/ペリカン文書(新潮社、1994年)

ジョン・グリシャム(John Grisham)の第3作、原題は「The Pelican Brief」。

以下、あらすじ。テューレーン(Tulane)大学ロースクールに学ぶダービー・ショーは米国最高裁判所に関係のある事件の背景を推理し文書を作成する。その文書が波紋を広げ、彼女の身に危険が迫る。以上、あらすじ。

本作は映画化されているとのことで、以前に読んだ『大切なもの3つ』(田中浩太郎著、鉱脈社)の中で著者がゴールデンウィークに娘二人と映画「ペリカン文書」を鑑賞したという記述があったのが記憶に残っている。主演はジュリア・ロバーツであるとのこと。

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田中浩太郎著『大切なもの3つ』などを読了

大統領をはじめとした米国政府の人々や法律に関する仕事をする人たちなど、様々な人間が登場するが、それぞれの性格の描写も面白く思われた。

また、ニューオーリーンズの描写も印象に残る。主人公の住むフレンチ・クォーターなど。

ここでの英語の綴りはサピエ図書館の点字データによる。

〈参考図書〉

The Pelican Brief  John Grisham  Arrow Books,1993。

2.森浩一著/巨大古墳 前方後円墳の謎を解く(草思社、2014年)

本書によると、日本には56の巨大古墳の存在が認められているという。160m以上のものを著者は巨大古墳としているようだ。

大きさでそれらを整理した場合、上位3位が大阪府に集中しているという。大阪府の中でも、河内に巨大古墳は集まっているのだそうだ。

河内の「400メートル級の超大型の前方後円墳(本文中表現)」とあるのを読むと、改めてその大きさに驚く。

また、大阪の話の中で、泉州という地名について、福建省にも「(以下引用)貿易で栄えた泉州という都市(引用終わり)」があるとして、共通点のあることに興味を覚えている旨書かれているのが面白く感じられた。

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アリストテレスの『詩学』などを読了

ほか、「はじめに」では、著者が大山古墳を空から見た時の文章が収められていて、印象的であった。

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松本清張著『古代史私注』などを読了

3.半沢周三著/南部の大河 史上最大の一揆 その攻防(郁朋社、2001年)

浜岩泉村(現在の岩手県田野畑村)の牛方である弥五兵衛らによる一揆を描いた小説。ほか、南部利済(なんぶとしただ)、石原汀なども登場する。

4.フリードリッヒ・ニーチェ著、中山元訳/善悪の彼岸(光文社、2009年)

「解説」の中で、ヤーコフ・ブルクハルトに宛てた所管の一部が紹介されており、興味深かった(内容は本作『善悪の彼岸』と『ツァルトゥストラかく語りき』との関係について)。

また、本編においては「殺す手」という短い文章が印象に残った。背景について(ニーチェが何を考えながらこの文章を書いたのか)もっと知りたいと思った。

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R・F・ヴァイツゼッカー著『荒れ野の40年』などを読了

5.藤沢周平、德永文一著/甘味辛味 業界紙時代の藤沢周平(文芸春秋、2012年)

藤沢周平の業界新聞の記者時代のコラムが収録された書籍。巻頭の「「甘味辛味」のこと」によると、「日本加工食品新聞」では編集長も務めていたとのことである。

6.北野大著/北野家の訓え 強く、たくましく生きる(PHP研究所、2003年)

北野大、武兄弟の母親の訓えを読むことができるっ本。北野家のエピソード本として楽しんで読んだ。

7.ミュッセ著、渡辺守章訳/ロレンザッチョ(光文社、2016年)

歴史劇。渡辺守章の解題によると、本作『ロレンザッチョ』はジョルジュ・サンドの『一五三七年の陰謀』がもとになっているとのことである。

物語の舞台は16世紀のフィレンツェである。メディチ家のアレクサンドル(フィレンツェ公爵)を主人公ロレンゾ・デ・メディチが暗殺する。中盤からの物語の展開に引き込まれた。

8.鈴木秀子著/今、目の前のことに心を込めなさい(海竜社、2017年)

巻末の著者紹介によると、著者鈴木秀子は聖心会のシスターであるとのこと。

ヘンリ・ナウエンの文章が紹介されるパートを興味を持って読んだ。

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アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ著『かもめ』などを読了

(敬称略)

(『ロレンザッチョ』と『善悪の彼岸』を除く六冊はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)

(上の画像はAI PiCASSOにより生成されました。2024年8月7日加筆)

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