令和4年6月8日から10日までの期間に次の4冊を読み終えた。
1.トマス・ハリス著、菊池光訳/羊たちの沈黙(新潮社、1989年)
2.アレックス・モレル著、中村有以訳/ミルキーブルーの境界(早川書房、2015年)
3.リチャード・プレストン著、高見浩訳/コブラの眼 上巻(飛鳥新社、1998年)
4.リチャード・プレストン著、高見浩訳/コブラの眼 下巻(飛鳥新社、1998年)
〈感想、メモ〉
1.トマス・ハリス著、菊池光訳/羊たちの沈黙(新潮社、1989年)
『羊たちの沈黙』はクラリス・スターリング(Clarice Starling)とハンニバル・レクター(Hannibal Lecter)の登場する推理小説である。面白かった。
小説の最初にコリント人への手紙からの言葉がエピグラフとして置かれており、興味深く思う(エペソでの活動についての部分)。また、同じく、そのエピグラフに並び、ジョン・ダンの文も小説の冒頭に置かれている。ジョン・ダンの文は、本編にも登場している(物語の終わった後に、TSというイニシャルでその引用箇所についての注意が記されている)。
物語は、クワンティコのFBIアカデミーの場面から始まる。
巻末には、訳者菊池光るの解説が収録される(日付は1989年8月となっている)。この解説によると、著者のトマス・ハリス(Thomas Harris)は元記者でAP通信のエディターであったとのこと。
2.アレックス・モレル著、中村有以訳/ミルキーブルーの境界(早川書房、2015年)
『ミルキーブルーの境界』は小説。原題は『survive』。主人公は自殺願望を持つ少女。非常に感動的な本だった。
語り手である主人公の少女・ジェーンは、物語冒頭ではアイダホにいて、自宅のあるニュージャージーに向かう飛行機に数時間後に乗る予定である。
巻末の著者紹介によると、著者のアレックス・モレル(Alex Morel)は2012年にこの作品でデビューしたとのことである。
3.リチャード・プレストン著、高見浩訳/コブラの眼 上巻(飛鳥新社、1998年)
4.リチャード・プレストン著、高見浩訳/コブラの眼 下巻(飛鳥新社、1998年)
『コブラの眼』は、ノンフィクション・ライターとして活動していたリチャード・プレストンによるフィクション。
主要登場人物の一人、アリス・オースティンはCDC(アメリカ疾病対策センター)の女性医師である。物語の冒頭、ニューヨークの学校で少女ケイトが授業中に激しい発作を起こし、絶命する。アリスは病原体の追跡の任務に当たることとなる。
期せずして、上記『羊たちの沈黙』二も登場したヴァージニアのクワンティコが
本作にも舞台として現れる。この『コブラの眼』においては、「クァンティコ」と表記される。この表記についてのこと、検索の便宜の目的でここに記す。
上巻の冒頭、ボードレールの言葉がエピグラフとして掲げられる。悪魔についての文。
〈参考ページ〉
(敬称略)
(上の4冊はサピエ図書館の点字データで読みました。点訳ボランティアの皆様と関係者の方々に感謝申し上げます。)
(上の画像はPlaygroundにより生成されました。令和六年八月十六日加筆)
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